われは一つの花を
久々に手元にあった本を、ふと開いて見ました。
以前ご紹介した詩集より。
宜しければ、どうぞ前回の記事も参照して頂ければ(
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『ハイネ詩集』
新潮文庫
訳 片山敏彦
「われは一つの花を」
われは一つの花を慕えど、どの花なるを知らざれば
心悩む。
われはあらゆる花々を眺めて
一つの心臓をさがす
夕暮れの輝きに、花々は薫りて
うぐいすは啼く。
われは一つの心臓をさがす、
わが心のごとく美しき感激に打ちふるえいる心臓を。
うぐいすは啼く、われはその佳き歌の
心を知る。
うぐいすとわれと
共に心は憧れのゆえに痛む。
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