ある詩集より

singmoon

2015年02月10日 01:15






近頃寒いので、毛布にくるまって本を読む。
ウトウトして眠ってしまえれば、それはそれで幸せなことかも、かもね。

本を読む…というか、ぱらぱらページをめくって、目に留まったとこを気ままに見ていくという感じで。

現代のいろいろな詩人達の詩を載せた詩集みたいな雑誌より。




「そこに在る何か」


やがて来る姿のない何かよ
僕はいつものように
静かに待ち受ける

色も形もない何かに
飲み込まれ溶けていく
嬉しいも悲しいも
全部消えてゆく
真っ白なその瞬間を

それがいったい
どうしたと言うのだ
大したことではない
痛いも痒いも
何も感じないことすらあるのだから

それは無か空虚か

昼も夜も関係ない
気づけばそこに在るのだ
心の隅っこに現れる
決して消えることのない
白い闇

僕が僕であるための
特別な意味があるのだろう
それを時おり
愛しいとさえ思えるのだから

そこに在る何か
恐れることはない
それはもともと
そこに在っていいものなのだよ


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